準々決勝:兼平(Bant Company) vs 岸(GR Eldrazi Ramp)

 

By Goto Kakeru

 

軍勢vs怪物と、まさしく同盟者とエルドラージの対決の様相を呈している準決勝。「バントカンパニーに同盟者はそんなにいないのでは?」とか、「エルドラージもボスは大きいけどその他は結構な軍勢なのでは?」とか、そういう疑問はこの際脇にどけておいて、ここにある一つの物語の行く末を見届けることとしよう。

Game1

岸が後手のドローと《ニッサの誓い》を頼りに《森》1枚キープ。結果はドローで更なる《森》と《ニッサの誓い》から《ウギンの聖域》を手札に加えて万々歳といったところか。兼平は《森の代言者》→《死霧の猛禽》、岸は《爪鳴らしの神秘家》→《爆発的植生》で《山》2枚と、互いに順調な立ち上がりを見せる。

 

兼平が《森の代言者》と《死霧の猛禽》で攻撃し岸のライフを12とすると、ノーアクションでターンを返す。岸は《樹木茂る山麓》でライフを更に削りつつ、《燃えがらの林間地》→《面晶体の記録庫》→《爪鳴らしの神秘家》変異→《荒野の囁く者》と一気に手札を盤面に繰り出す。対して、4マナ浮いていた兼平であるが、《集合した中隊》は撃てずにターンが返った。

 

再び2体のクリーチャーで攻撃する兼平。岸はライフのこれ以上の減少を嫌ってか、《死霧の猛禽》を変異(《爪鳴らしの神秘家》)で、《森の代言者》を《荒野の囁く者》でブロック。次の岸のアクションに備え、兼平の陣営に《絶え間ない飢餓、ウラモグ》にも《精霊龍、ウギン》にもいくばくかの耐性を持つ《空中生成エルドラージ》と末裔が追加される。

 

 何かが起こる、その前兆。

 

岸はお約束の《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を唱え、飛行が面倒な《空中生成エルドラージ》とサイズが脅威の《森の代言者》を追放。《ウギンの聖域》からは追加の《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を用意した。

 

兼平は待っていたかのように《反射魔導士》をプレイし《絶え間ない飢餓、ウラモグ》に丁重にお帰り願うと、末裔と《死霧の猛禽》を走らせ岸のライフを7まで落とし、新たな《空中生成エルドラージ》を加えて詰めにかかる。《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を2枚抱えてもプレイさえ禁じられては木偶の坊に過ぎず、岸は「チャンドラ!」と勇んで《面晶体の記録庫》を起動するが、2枚の追加ドローの中に答えはなかった。

 

兼平 1 - 0 岸

 

 

Game2

 

岸は《爪鳴らしの神秘家》→《爆発的植生》、兼平は《森の代言者》→《死霧の猛禽》と、先ほどと同じ序盤を過ごす2人。ただし、今回の先手は岸ということを除けば、であるが。

 

《死霧の猛禽》がプレイされた返し、4ターン目にきっちり戦場に出た《龍王アタルカ》はすぐさま《死霧の猛禽》を焼き尽くす。兼平の4ターン目のノーアクションを経て岸は《炎呼び、チャンドラ》を追加、エレメンタル2体とアタルカを攻撃に向かわせようとするが、今回は兼平が戦闘前に《集合した中隊》を放つ。出てきたのは……

 

 

 

 

《反射魔導士》2体!

 

 

 

思わず「うわぁ!」と岸が声を上げる。兼平は《龍王アタルカ》と《爪鳴らしの神秘家》を手札に帰してエレメンタルの攻撃を全て受けた。戦闘前に行動した岸がすることなくターンを終了すると、息を吹き返した兼平は《森の代言者》《反射魔導士》×2の総攻撃で《炎呼び、チャンドラ》を退場させる。

 

岸は代わりのビッグアクションを持っておらず、変異(《爪鳴らしの神秘家》)、《ニッサの巡礼》、変異を表にしてさらなる変異(やはり《爪鳴らしの神秘家》)と小さなアクションを繰り出すに留まってしまう。兼平は、ここで更に追撃の《集合した中隊》をプレイ。

 

 

 


 

 

 

余りにも強烈な盤面の転覆、その連続。《跳ねる混成体》で《爪鳴らしの神秘家》をタップし、《反射魔導士》で変異をバウンスする。

 

《森の代言者》《反射魔導士》×3《跳ねる混成体》に加えて《伐採地の滝》を有する兼平に対し、ライフ18の岸。6枚目の土地があれば《森の代言者》の能力で18点ピタリであるが、土地を置けなかった兼平はそのまま攻撃してライフを7まで落とすにとどめ、《空中生成エルドラージ》で再び詰めに入る。

 

岸は解禁された《龍王アタルカ》で末裔、《空中生成エルドラージ》、《森の代言者》を燃やして《爪鳴らしの神秘家》を置いたが、次のターンの総攻撃を受けライフは3となり、ドローを仰いで投了を告げた。

 

 

兼平 2 - 0 岸